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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

"it"のひみつ(1)

That's it!

という表現をご存じだろうか。
どこにも難しい語のない、というか「基本語」しかないごく短いフレーズ。
だがこのフレーズをしっかり理解して使いこなせる人は、日本人英語学習者にはそれほど多くはないのではないか。
標準的な(?)日本の英語教育的知識からなんとか理解しようとしても
「あれは、それだよ」
とかになってしまい、
「???…」

これは、簡単に言えば
「それだ!」
である。
つまり、様々な場面で、だれかが「正解」「本質」「うまい解決法」などと言い当てたりしたときに使う言葉だ。
たとえば
「どうしたらいいかなあ…(What should I do...)」
「Johnに電話して聞いてみたら?(How about calling and asking Jonh?)」
「それだ!Johnならこの手のことには詳しいよね(That's it! John knows a lot about this kind of things.)」


「それだ!」の「それ」はitを指しているのか? この場合、たぶん違うのではないかと思う。むしろ「それ」はthatのほうだ。今まで述べてきたように、that(やthis)には「指し示す」働きが強い。「それだ!」と言う場合、相手のことを指さしたりしたい感じになるだろう。もっとも、「日本語には主語がない」と考えると、Thatの部分は無視され訳されず、「それ=今求めている情報=it」となる、と解釈できなくもないので微妙である。
つまり、「それだ!」の「それ」は
「あなたが今言ったこと」(=that)
なのか
「今まさに求められている情報」(=it)
なのか定かでないということだ。


ともあれ、That's it. は正確に言えば(上の例に挙げた文脈に則せば)
「あなたの今言ったことは、まさに今求められている情報だ」
という意味なのである。

日本語で「それだよ!」と言った場合の「それ」がどちらを指しているかはともかくとして(しかしそういうことが分かりにくい言語である日本語を母国語とするものが、英語を習得しようとすることには確かに困難がある)、「it」の本質とは、この「今まさに求められている情報」であり、上の例の文脈から離れてもっと一般化するなら
「今、焦点となっているもの(こと・状況)」
ということである。

決して単純に「it = それ」ではないのだ。

itにまつわる話はたぶんとても複雑になるので、小分けにして書いていこうと思う。ということで今日はここまで。
ちなみに、That's it.についてもっと詳しくはこちら

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